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小児科専門医の相談室㉕ 「子どもの便秘、どうしたらいい?」
「何日もウンチが出ない」「ウンチが硬くて痛がる」「ウンチをするときに泣く」 ――子どもの便秘は、決して珍しいことではありません。 便秘というと「何日出なかったら便秘?」と考えがちですが、回数だけでは決まりません。 小児慢性機能性便秘症ガイドラインによると、便秘とは「便が滞った、または便が出にくい状態である」と定義されます。毎日ウンチが出ていても、硬くて痛かったり、出すのを嫌がったりする場合は便秘のことがあります。 特に子どもは、一度硬いウンチで痛い思いをすると、「また痛いかも」とウンチを我慢するようになることがあります。するとウンチがさらに硬くなり、ますます出しにくくなる――という悪循環になってしまいます。 トイレットトレーニングにも影響することがあります 便秘は、トイレットトレーニングにも影響することがあります。ウンチが硬くて痛い経験をすると、「トイレでウンチをするのは嫌だな」と感じたり、ウンチを我慢したりすることがあります。そうすると、トイレに慣れるまでに少し時間がかかることもあります。 「なかなかトイレでウンチができない」と焦るのではなく、
6 日前


小児科専門医の相談室㉔ 「お子さまの未来を守るために~HPVワクチンについて~」
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、男女を問わず多くの人が一生に一度は感染するといわれている、とても身近なウイルスです。ほとんどの場合は自然に体から排除されますが、一部では感染が続き、将来、子宮頸がんをはじめ、中咽頭がん、肛門がんなどの原因となることがあります。 HPVワクチンを感染する前に接種することで高い予防効果を期待できます。そのため、感染の機会が増える前の中学生の時期に接種を始めることがおすすめです。15歳になる前に接種を開始すると、原則2回の接種で充分な免疫がつくため2回で完了します。15歳以降に開始した場合は3回の接種が必要となります。 HPVは女の子だけでなく、男の子にも関係のあるウイルスです。男性でもHPVが原因となる病気(尖圭コンジローマ、肛門がん等)があることがわかっており、ワクチンを接種することで、ご自身を守るだけでなく、将来の大切なパートナーへの感染を減らすことにもつながります。 現在、HPVワクチンについて、国の定期接種(公費)の対象は女性のみです。男性は任意接種(自費)となりますが、一部の自治体では接種費用の助成制度が
7 日前


小児科専門医の相談室㉓ 「流行性角結膜炎(はやり目)」
流行性角結膜炎はアデノウィルスによって起きる急性の結膜炎です。 アデノウィルスは従来から多い8型・37型に加え、53型・54型・56型など複数の型が報告されています。感染経路は主として接触感染で、涙や目やにに含まれるウイルスが手指や共用物品を介して目に入ることで感染します。片眼からの強い充血、流涙、漿液性の眼脂、異物感、まぶたの張れ、まぶしさなどで発症し、経過とともに両眼性になることが多いです。 他には耳前リンパ節の腫脹や圧痛、発熱、全身倦怠感を伴う例もあります。 流行性角結膜炎で注意すべき点は、結膜炎症状が軽快してきた後に、角膜に炎症が及び、角膜の混濁が出現することがあります。角膜上皮から実質にかけて生じる多数の点状混濁は結膜の充血や眼脂が軽快してきた時期以降に出現します。「白いもやがかかったように見える」「まぶしさが強い」との訴えになります。 <診断> 結膜擦過物による迅速抗原キットが特異性が高く有用です。 <治療> 点眼による症状緩和を基本とします。ステロイド点眼は軽症では必須ではありませんが、強い炎症により偽膜形成、糸状角膜炎等には用いら
7月15日


小児科専門医の相談室㉒ 「アナフィラキシー出現時の対応としてのネフィ(Neffy®)について 」
アナフィラキシーは、食物・薬剤・虫刺されなどをきっかけに急速に呼吸困難や血圧低下などの重症な症状が進む、命に関わる可能性のある重症のアレルギー反応です。 迅速な対応が必要であり、その際に使用する緊急薬として、従来は自己注射薬のエピペン®が広く使われてきました。 本年、新しい選択肢としてネフィ(Neffy®)というアドレナリン点鼻薬が日本でも導入されました。ネフィはエピペンと同じアドレナリンを含みますが、投与方法が「太ももへの筋肉注射」から「鼻への噴霧」に変わった点が大きな特徴です。鼻粘膜は血管が豊富で、薬剤が速やかに吸収されるため、血中濃度の推移はエピペンとほぼ同等とされています。また、針を使わないことで心理的な負担が軽くなり、周囲の大人がためらわずに使用しやすいという利点があります。 一方で、効果発現は筋肉注射よりわずかに遅いとされます。風邪などで鼻水が多い状況でも一定の効果は得られるとされていますが、強い鼻づまりや鼻腔の形態異常がある場合には吸収が低下する可能性があります。この点は、確実性の高いエピペンとの違いです。 エピペンは20年以上の実
7月13日


小児科専門医の相談室㉑ 「子どものめまい ― よくある原因と受診の目安 ― 」
子どものめまいは、大人のように「めまいがする」とうまくことばにできないため、「ふらふらしている」「まっすぐ歩けない」「急に起き上がらなくなる」「なんとなく元気がない」といった様子で気づかれます。 幼児期から就学期のめまいはおたふくなどのウイルス感染によるものや内耳奇形が原因になりますので難聴をともなったり、まっすぐ歩けない場合はMRIなどの画像検査が勧められます。 思春期のお子さんでは、立ちくらみや起立性調節障害がよくみられ、脱水や睡眠不足、疲れ、かぜの前後などでもふらつくことがあります。また、片頭痛に関連してめまいが起こることもあります。成長期は自律神経のバランスが乱れやすく、朝起きにくい、立つと気分が悪い、学校でふらつくといった症状として現れます。 まれではありますが、脳の病気が原因となることもあるため注意が必要です。特に、繰り返し嘔吐する、頭をぶつけた後に症状が出た、意識を失った、ものが二重に見える などの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。 2026/4/28 日本女医会 小児救急・子育て支援委員会
4月28日


小児科専門医の相談室⑳ 「年齢で変わる“話し方” ― 子どもの構音発達を知ろう ― 」
子どもの発音は、すべての音を最初から正しく話せるわけではなく、舌や唇、あごの発達に合わせて習得していきます。一般に、「あいうえお」などの母音や「ま行」「ぱ行」は2~3歳頃、「た行」「な行」は3歳頃までに安定してきます。「か行」「は行」は3~4歳頃に身につき、難しい「さ行」「ら行」「つ」などは4~6歳頃までかけて完成していきますが個人差はあります。 小さいうちに「さかな」が「たかな」になるなどの言い間違いは、発達の過程でよくみられるもので、特に幼児期は、難しい音を言いやすい音に置き換えて話すことがあります。 ただし、年齢が上がっても同じ発音の誤りが続く場合や、会話全体が聞き取りにくい場合には、構音障害や難聴などが隠れていることもあります。発音には個人差がありますが、「同年代の子と比べてかなり聞き取りにくい」と感じるときは、小児科や耳鼻咽喉科のきこえやことばの相談外来に相談すると安心です。 また、吃音(きつおん)、どもりは、ことばの繰り返し、引き伸ばし、ブロック(出にくい)があり、人前で話そうとしなくなることも心配されます。2〜3歳で2語文以上の発話
4月28日


小児科専門医の相談室⑲ 「こどもの難聴 ― 早く気づき、早く支えることの大切さ」
「こどもの難聴」は決して珍しいものではありません。生まれてくる赤ちゃんの 約1000人に1人は先天性難聴 をもって生まれ、成長の過程で難聴が見つかる子どもを含めると、 小児期では約1000人に2人に難聴がある とされています。 先天性難聴では、 早期発見・早期療育 がとても重要です。現在は新生児聴覚スクリーニングが普及し自治体から補助もあり推奨されています。 生後1か月までに難聴を発見し、3か月までに診断、6か月までに補聴器などの適切な対応をして療育を行う ことが推奨されています。この時期に支援を始めることで、ことばの発達や円滑なコミュニケーションにつながりやすくなることがわかっています。 一方で、新生児期に聴力が正常と判定されても、その後に難聴が起こらないとは限りません。成長とともに徐々に進行する場合や、ある日突然難聴を発症することもあります。原因は内耳の構造の異常(内耳奇形)や遺伝的要因、感染症、頭部外傷、薬剤の影響などさまざまで、原因が特定できないことも少なくありません。 近年注目されている原因の一つが サイトメガロウイルス感染...
1月7日


小児科専門医の相談室⑱ 「子どもの副鼻腔炎」
風邪をきっかけに発症することが多く、黄色や緑色の鼻水が10日以上続くと疑います。 副鼻腔が未発達な幼児は炎症を起こしやすい一方、適切に治療すれば改善しやすいのが特徴です。 保育園や幼稚園など集団生活が始まると罹りやく膿性鼻汁に加えて夜間や朝の咳、鼻づまり、乳幼児では食欲不振や不機嫌がみられることがあります。症状が10日以上続いたり、いったん良くなって再び悪化する場合に診断されます。 通常はレントゲンは不要ですが、高熱が続く、頬や目が腫れるなど重症が疑われる場合は画像検査を行います。治療は鼻の通りを良くする処置や薬を用い、家庭での鼻吸引や鼻洗浄も有効です。10日間治療しても膿性鼻汁が続くときは抗菌薬を検討します。 風邪から副鼻腔炎になりやすいため、早期の対応で慢性化を防ぐことが大切です。 2025/11/7 日本女医会 小児救急・子育て支援委員会 新谷朋子
2025年11月7日


小児科専門医の相談室⑰ 「インフルエンザが流行っています~ インフルエンザワクチンについて~」
本年は、インフルエンザの流行が例年より早く始まりました。 10月1日からインフルエンザワクチン接種が始まっていますので、早めに接種することをお勧めします。 既にインフルエンザにかかってしまわれた方も、ワクチン接種が望ましいです。 理由は、インフルエンザにはA型B型等が複数あることと、重症化を防ぐ効果があるからです。1度かかった型には免疫ができますが、他の型には免疫がないため、同じシーズンに別の型のインフルエンザに再感染する可能性があるからです。 昨年から、従来の不活化ワクチンの他に、2歳から19歳未満の方には、経鼻ワクチンも選択肢の一つとなりました。 これは、両側の鼻の粘膜に1回0.1mlずつ噴霧する3価の弱毒生ワクチンで、米国では2003年から、ヨーロッパでも2013年から使用されています。 注射嫌いの子どもさんや、痛みが苦手の方には嬉しいニュースです。しかし気管支喘息の患者さまや妊婦の方、周囲に授乳されている方や免疫不全の方がおられるときは不活化ワクチンの方が奨められています。 かかりつけの先生とご相談になり、適切なワクチンを接種していただき
2025年11月7日


小児科専門医の相談室⑯ 「HPVワクチン 9月までに接種できなかった高校1年生の方へ、さらにお急ぎください!!」
HPV(ヒトパピロ―マウイルス)は子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。 HPVワクチンは、この感染症を予防し、子宮頸がん発症のリスクを大幅に減少します。 15歳以上の方は3回、15歳未満の方は2回の接種が必要です。 現在、小学校6年生~高校1年生の女子が定期接種の対象者です。 昨年まで行われていたキャッチアップ接種も終了しましたので、高校1年生の方は定期で受けるためには、年度末(3月)までに3回接種を終える必要があります。通常の方法では遅くとも9月までに1回目の接種を受ける必要がありましたが、まだの方は最短法で 4か月 で接種する方法もあります。その場合でも 11月 までに接種する必要がありますのでお急ぎください。 尚、平成9年度生まれ~平成20年度生まれの女性で、2022年4月~2025年3月末までにHPVワクチンを1回以上接種した方が、公費による接種を希望する場合は、2026年3月末までに2回目・3回目のワクチンを接種することができます。 <接種方法> ※1 1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。 5か月未満である場合は3
2025年11月7日


小児科専門医の相談室⑮ 「HPVワクチン 高校1年生の方お急ぎください」
HPV(ヒトパピロ―マウイルス)は子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。HPVワクチンは、この感染症を予防し、子宮頸がん発症のリスクを大幅に減少します。 15歳以上の方は3回、15歳未満の方は2回の接種が必要です。 現在、小学校6年生~高校1年生の女子が定期接種の対象者で...
2025年9月18日


小児科専門医の相談室⑭ 「百日咳」
今年の百日咳は、国立健康危機管理研究機構は全国の医療機関から報告された累計患者数は、8月31日までに速報値で7万2448人になったと明らかにしました。 現在の集計法となった2018年以降、7万人を超えたのは初めてのことです。昨年は4700人で15倍以上の感染者数になっていま...
2025年9月18日


小児科専門医の相談室⑬ 「起立性調節障害(OD)」
近年、小中学生の中で「起立性調節障害(OD)」が増えています。 発症のピークは10〜16歳で、特に女の子に多いと言われています。 有病率は約10%、不登校の子どもの約40%がODと関係しているとも報告されています。 主な症状...
2025年9月8日


小児科専門医の相談室⑫ 「熱中症」
今年の暑さは史上最高といわれ、次々と日本の歴代最高気温を更新したことは大きいニュースになりました。この暑さは10月になっても続くようです。 この暑さに伴い熱中症も増えています。昨年も猛暑が続き熱中症警戒アラートは過去最多の1,722回発表されました。また5月~9月の救急搬送...
2025年9月8日


小児科専門医の相談室⑪ 「日本の子どもの睡眠が危ない」
日本人の平均睡眠時間は、大人で約7.4時間、0~3歳の子どもで約11.6時間と、世界的に見ても非常に短いとされています。ちなみに、ニュージーランドでは大人が8.6時間、子どもは13.3時間の睡眠を確保しています。 睡眠と覚醒のリズムが不規則になると学業成績の低下を招き、さら...
2025年7月18日


小児科専門医の相談室⑩ 日本耳鼻咽喉科学会「こどものみみ・はな・のどの病気」
日本耳鼻咽喉科学会様ホームページより 、 「 子どものみみ・はな・のどの病気 」 をご活用ください。 2025/4/11...
2025年4月11日


小児科専門医の相談室⑨ 日本小児科医会作成の子育て支援アプリ【育ナビ】をご利用ください。
日本小児科医会から、子育てにかかわる全ての方に向けた子育て支援アプリ「育ナビ」がリリースされました。小児科医の立場から厳選して選ばれた情報が満載です。どうぞご活用ください。 詳しくは以下の「育ナビ」画像をクリック ...
2025年4月11日


小児科専門医の相談室⑧ 「こどもの異物」
乳幼児は好奇心旺盛で、目にはいるもの、手に触れるものすべてに興味をもって、すぐに口に入れて、食道異物、気管支異物になることがありますので身の回りに小さなものを置かないようにしましょう。 異物が気道内に入って、咳き込み、ゼイゼイしたり、息苦しさ、顔色が青くなるなどの症状があ...
2025年4月9日


小児科専門医の相談室⑦ 「5歳児健診を受けましょう!」
5歳児健診は、これまで一部の自治体で任意に実施されていましたが、2025年度から本格的に全国的に普及します。いままでは、3歳児健診の後は小学校入学の直前に行う「就学前健診」しか機会がありませんでした。 幼児期は言語の理解能力や社会性が高まり、発達障害が認知される時期であり...
2025年1月17日


小児科専門医の相談室⑥ 「子育て支援動画」のご紹介
公益社団法人 日本小児科医会 作成 出産前の準備から、初めての沐浴、検診、予防接種やスキンケアなど、 子育てに関する動画をご覧いただけます。 詳しくは以下をクリックして ご覧ください。 子育て支援動画|公益社団法人 日本小児科医会 ...
2025年1月8日