小児科専門医の相談室⑬ 「起立性調節障害(OD)」
- 日本女医会 公益社団法人
- 2025年9月8日
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近年、小中学生の中で「起立性調節障害(OD)」が増えています。
発症のピークは10〜16歳で、特に女の子に多いと言われています。
有病率は約10%、不登校の子どもの約40%がODと関係しているとも報告されています。
主な症状
ODは、自律神経の働きがうまくいかず、立ち上がったときに脳や体に十分な血液が回らなくなることで起こります。代表的な症状には以下のようなものがあります。
朝なかなか起きられない
午前中の体調不良(だるさ、頭痛、腹痛)
朝の食欲不振
全身の強い疲れ
立ちくらみ、動悸
乗り物酔いしやすい
昼過ぎから少しずつ動けるようになり、夕方には元気になることが多いのも特徴です。これらの症状が不登校につながることもあります。
治療と生活改善のポイント
治療の基本は「生活リズムを整えること」です。具体的には次のような工夫が大切です。
朝はできるだけ同じ時間に起き、朝ごはんをとる
起床後にはベッドから出て過ごし、できれば日光を浴びる
日中、15分程度の軽い運動(散歩や好きなダンスなど)
水分を1.5〜2リットル程度とり、塩分も意識して摂取
夏は症状が悪化しやすいため、室温の調整に注意
夜はブルーライト(スマホやPC画面など)を避け、就寝3時間前には見ないようにする
また、症状に応じて「血圧を上げる薬」や「漢方薬」が処方される場合もあります。起きているときに弾性ストッキングを着用すると効果的なこともあります。起立時に血圧が下がるタイプ、血圧は変わらないが脈拍が上がるタイプ、失神を伴う場合などの病型がありますので医療機関を受診しましょう。
周囲の理解も大切です
ODは「怠けている」わけではなく、身体の仕組みによるものです。本人やご家族だけでなく、学校や周囲の方が病気を理解し、サポートすることが回復への大きな力になります。

2025/9/8
日本女医会 小児救急・子育て支援委員会
新谷朋子


