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小児科専門医の相談室⑫          「熱中症」


今年の暑さは史上最高といわれ、次々と日本の歴代最高気温を更新したことは大きいニュースになりました。この暑さは10月になっても続くようです。


この暑さに伴い熱中症も増えています。昨年も猛暑が続き熱中症軽快アラートは過去最多の1,722回発表されました。また5月~9月の救急搬送者数は約10万人、死亡数も1000人前後と過去最多でしたが、今年は、更に増加し死亡数がすでに2,033人と急増しています。


特に65歳以上の高齢者が搬送者全体の過半数を占め、乳幼児や屋外作業者も重症化リスクが高まっていますので警戒が必要です。


9月になり、夏の疲れが出やすく、初秋ということで油断しやすいですが、安心せず熱中症には気をつけていきたいです。



初期症状のチェックポイントには下記のような症状があります。

めまい・立ちくらみ

頭痛・吐き気

異常な汗の量(または汗が出ない)

体がだるい・力が入らない


このような症状がでてきましたら、すぐに涼しい場所へ移動して水分・塩分を補給してください。重症化すると命に関わるので、早めの対応が大切です。



熱中症予防には普段の生活では以下のことに注意しましょう。


水分・塩分補給

・のどが渇く前にこまめに水分をとる

・汗をかいたら塩分も一緒に補給(スポーツドリンクや梅干しなど)


暑さを避ける工夫

・室内ではエアコンや扇風機を活用し、温度・湿度を快適に保つ

・室内ではエアコンや扇風機を活用し、温度・湿度を快適に保つ

・外出時は日傘・帽子・冷感グッズを使って直射日光を避ける

・暑い時間帯(10〜15時)の外出はできるだけ控える


衣服の選び方

・通気性・吸水性の良い素材(綿・麻など)を選ぶ

・明るい色の服で熱を吸収しにくくする


睡眠環境の整備

・寝る前にも水分補給

・エアコンや扇風機を使って快適な室温(28℃以下)を保つ


高齢者・子どもへの配慮

・高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくいため、周囲が声かけを

・子どもは夢中になって遊びすぎるので、こまめな休憩と水分補給を促す


症状レベル

主な症状

対処法

軽度

めまい・立ちくらみ・筋肉のけいれん

涼しい場所で休み、水分・塩分補給

中等度

頭痛・吐き気・だるさ

安静にして経口補水液を飲む

重度

意識障害・けいれん・高体温

救急車を呼び、首・脇・足の付け根を冷やす

日々のちょっとした心がけで、熱中症は防げます。特に梅雨明けや急に暑くなった日は要注意です。 気温だけでなく湿度にも気を配りながら、無理せず夏を乗り切りましょう🌿



重症の熱中症は、時間との勝負です。

少しでも異変を感じたら、ためらわずに医療機関へ連絡しましょう。


もっと詳しく知りたい場合は、日本気象協会の熱中症ゼロへもおすすめです。


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2025/9/8

  日本女医会 小児救急・子育て支援委員会

               藤谷宏子

 
 
 

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