小児科専門医の相談室㉓ 「流行性角結膜炎(はやり目)」
- 16 時間前
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流行性角結膜炎はアデノウィルスによって起きる急性の結膜炎です。
アデノウィルスは従来から多い8型・37型に加え、53型・54型・56型など複数の型が報告されています。感染経路は主として接触感染で、涙や目やにに含まれるウイルスが手指や共用物品を介して目に入ることで感染します。片眼からの強い充血、流涙、漿液性の眼脂、異物感、まぶたの張れ、まぶしさなどで発症し、経過とともに両眼性になることが多いです。
他には耳前リンパ節の腫脹や圧痛、発熱、全身倦怠感を伴う例もあります。
流行性角結膜炎で注意すべき点は、結膜炎症状が軽快してきた後に、角膜に炎症が及び、角膜の混濁が出現することがあります。角膜上皮から実質にかけて生じる多数の点状混濁は結膜の充血や眼脂が軽快してきた時期以降に出現します。「白いもやがかかったように見える」「まぶしさが強い」との訴えになります。
<診断>
結膜擦過物による迅速抗原キットが特異性が高く有用です。
<治療>
点眼による症状緩和を基本とします。ステロイド点眼は軽症では必須ではありませんが、強い炎症により偽膜形成、糸状角膜炎等には用いられ、抗菌薬点眼はウイルス自体には無効ですが、角膜上皮障害が強く細菌の2次感染などには使用されます。
<感染対策>
石けんと流水による丁寧な手洗いタオルやハンカチ等の共用を避けます。共用の触れる場所には、アルコールは感受性が低いので次亜塩素酸ナトリウムが有効です。学校環境では塩化ベンザルコニウム添加エタノールや塩素系マルチパーパス消毒剤などが使用可能です。

2026/7/15
日本女医会 小児救急・子育て支援委員会
宮坂晴子


