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【第5回受賞】医師・科学者として働くということ

名古屋市立大学 医学部4年 中西 陽子

私は将来医師・科学者としてエネルギッシュに働きたいと思っている。 そう考えるようになったきっかけは、大学入学後大変素晴らしい研究機関で勉強する機会を頂いて、たくさんの尊敬する先生方にお会いしたことだ。どの先生も研究には男女の区別なく、行動には無駄がなくスマートだった。女性医師だから、女性だから、医師だから、医師ではないからといった区別が全くなく、一科学者としてしっかり仕事をされていた。その時に、医師は病気を診断して治す職業ではあるが、そのために医師だけが何か特別なわけでも、忙しいわけでもないと思った。確かに診療には女性医師であることを生かしやすい時があるかもしれないが、その前に医師・科学者として振る舞うことがあるべき姿だと思うようになった。

そのような女性医師は少数派という時代ではなくなってきた。私の周囲で医学部以外の、特に理系の道に進んだ女性は、女性が研究室やクラスに一人もいないことが度々あり、医学部の女性の比率の高さを驚くとともに羨ましがっている。また、マイノリティではないにも関わらず、女性医師の特殊性が話題となっていることを不思議に思っている。今や女性医師は女性という理由だけでは必要とされない時代であり、女性医師とは何なのか、どのような科学者であり、医師であるべきか考えるときが来ていると言えるだろう。

私の提言は、自らを女性医師という特別な仕分けで考えることをなくそうということだ。特に研究や論文はスピードが命とも言われ、性別に重きはおかれない。女性も男性も同じ舞台で仕事をするべきであるから、女性という枠組みを作れば自らの活動の幅を狭めてしまうことにつながる。医師は高い人格、広い教養、強い責任感を特に求められる職業でもあるが、特別に医師という枠組みで捉える必要はない。私の尊敬する方々は医師もそうでない方も皆女性であることを言い訳とせず、仕事を全部職場で終わらせたり、家に持ち帰ったりなど各自の工夫によって時間を上手に使い、才能と努力で素晴らしい仕事をされている。

私の提言は、自らを女性医師という特別な仕分けで考えることをなくそうということだ。特に研究や論文はスピードが命とも言われ、性別に重きはおかれない。女性も男性も同じ舞台で仕事をするべきであるから、女性という枠組みを作れば自らの活動の幅を狭めてしまうことにつながる。医師は高い人格、広い教養、強い責任感を特に求められる職業でもあるが、特別に医師という枠組みで捉える必要はない。私の尊敬する方々は医師もそうでない方も皆女性であることを言い訳とせず、仕事を全部職場で終わらせたり、家に持ち帰ったりなど各自の工夫によって時間を上手に使い、才能と努力で素晴らしい仕事をされている。

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