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日本女医会会長挨拶

公益社団法人日本女医会 会長 前田佳子

公益社団法人日本女医会は、1902年に前田園子(公許女医第12号)らによって設立され、120年以上の歴史を有する世界で最も歴史の長い女性医師の専門職団体です。

創立当時、日本の女性たちは高等教育を受ける機会も限られ、医師として社会で活動することは極めて困難でした。そのような時代に先人たちは、「女性医師が互いに学び支え合い、社会に貢献する」という志を掲げ、日本女医会を創設しました。その精神は現在も変わることなく受け継がれています。

今日、女性医師の数は着実に増加しています。しかし、医療界における意思決定の場への参画、研究・教育分野における指導的地位、多様な働き方を支える環境整備など、多くの課題が残されています。また、医療現場で直面する課題の背景には、性別による格差だけでなく、貧困、障がい、年齢、国籍、性的指向や性自認など、さまざまな要因による不平等が存在しています。

さらに、世界では武力紛争や人道危機が続き、多くの人々の命と健康が脅かされています。気候変動による災害の頻発や感染症の脅威も、私たちの健康と暮らしに深刻な影響を及ぼしています。健康は平和の上に成り立ちます。そして、人権が尊重されなければ健康も守ることはできません。

私たち医師は、病気を治療するだけでなく、人々が尊厳を持って生きられる社会の実現に責任を担っています。日本女医会は、女性医師の職能団体としての役割にとどまらず、医療の現場から見える社会課題に対し、専門的知見に基づく提言を行う公益団体として活動しています。ジェンダー平等の推進、女性と子どもの健康支援、多様性と包摂性のある社会の実現、平和と人権の尊重、そして持続可能な医療体制の構築は、私たちが取り組むべき重要な課題です。

私たちは、女性医師のためだけに活動する団体ではありません。医療を通じて社会に貢献し、弱い立場に置かれた人々に寄り添い、平等と人権が尊重される社会を目指して行動する専門職集団でありたいと考えています。そのためには、国内外の関係団体との連携を深めながら、すべての人が健康で尊厳を持って生きられる社会の実現を目指してまいります。

先人たちが切り拓いた道を受け継ぎ、次の世代へ希望ある未来をつなぐために、これからも声を上げ、行動し続けます。

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