東京大学医学部医学科 林慧
公益社団法人日本女医会は、女医の資質を向上させること、女医がより活躍できる社会を作ることにおいて、日本にとってとても有益な団体だと思います。私が女医会に期待していることは主に二つあります。それは、向上心ある会員同士の交流と女医会の特長を活かした情報発信です。これから順に説明していきたいと思います。
まず会員同士の交流についてですが、具体的には仕事、人格、ライフスタイルなど色んな方面で秀でた会員達が多く集まる場であってほしいと思います。そのような素敵な会員をみて、他の医師・医学生は良い刺激をもらい、より将来に希望をもって努力することが出来ると思うからです。先日私は初めて日本女医会のイベントに参加し、津田先生と平敷先生に出会いました。二人とも大変気さくで親しみやすい方でありながら、専門である麻酔科学と放射線医学に情熱を持っていました。円満な家庭生活を送りつつ仕事へのプロ意識があり、将来の参考にしたいと思いました。また、海外経験のここまで抱負な女医に出会うのは初めてで、留学の相談も出来て良かったです。優れた女医を中心にお互いに高め合い、より日本女医会が魅力的な場になり、さらにやる気のある女医や医学生が集まってくるという好循環が生まれるといいなと思います。
次に女医会ならではの情報提供についてです。出産を契機に辞めてしまう女医の多いこと、医学教授に女性が少ないことを考えると、女医というリソースが活用しきれていないと感じます。これには歴史と権威があり女医の集うコミュニティである女医会のアプローチが有効でしょう。日本女医会が、女性達が出産後や結婚後も臨床や研究を続けられるような制度や世論を作り、日本の医師不足解消や医療危機の改善に貢献できたらこれ以上素晴らしいことはないと思います。また、女性が気をつけるべき病気や一般の方々も知っておきたい知識にも女医会の情報発信は有効だと思います。例えば女性特有疾患に関する勉強会、医療ニュース討論会などのイベントがあると良いと思います。私の大学では臨床推論勉強会、ケース勉強会が頻繁に開かれております。参加するたびに知識不足を痛感させられますが、何より医学生以外の人達とも知り合えて、異なる見方を知るのが楽しいです。日本女医会が女医と民間の橋渡しとなり、効率よく情報共有することが出来たらと思います。
以上から私は、女医会に会員同士の切磋琢磨と有益な情報発信を期待します。女医会創立百周年にて皇后陛下は「女医会の名の許に,各地の女医が集い,医学情報を交換し,討論を行い,良き医師となるべく互いに磨き合い,励まし合っている姿が想像され,胸を打たれます」と仰いました。まだまだ未熟者ですが、会員の一人として精進していきたいと思います。
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