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新しい治療とトピックス

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子宮頸がんは予防できるがんです-子宮頸がんをなくしましょう

日本女医会理事

対馬 ルリ子

子宮頸がんとは?

子宮がんには、子宮頸部に発生する子宮頸がんと、子宮体部内膜に発生する子宮体がんがあります。子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部の粘膜上皮にできるがんで、若い女性特有のがんとしては乳がんの次に、最も多いがんです。扁平上皮がんと腺がんがあり、腺がんが20%程度です。

どのくらいの患者数? 死亡数は?

現在、日本では年間15000人が子宮頸がんに罹患し、約3500人が死亡しています。これは、毎日9人の女性が子宮頸がんによって命をおとしている計算になります。世界中では、毎年約50万人が子宮頸がんになり、27万人が死亡しています。生存していても、多くの女性が子宮を失って妊娠や出産ができなくなり、排尿障害やリンパ浮腫などの後遺障害に悩まされます。特に、近年では、20~30代の女性に子宮頸がんが急増していることが問題になっています1)。

日本における20~39歳の女性のがん発生率

(3) 偽陰性 特に高濃度乳房について

偽陰性による不利益は、治療の遅延である。偽陰性は、撮影・読影技術、病変の位置や形状や性質、高濃度乳房(デンスブレスト)などによって起こる。近年、その中の高濃度乳房が話題になっている。マンモグラフィでは、乳腺組織と脂肪組織の割合と分布を、乳房の構成として評価し、「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度」「極めて高濃度」の4つに分類している。そして「不均一高濃度」と「極めて高濃度」を高濃度乳房と定義している。高濃度乳房では、腫瘤が乳腺組織で見えなくなることがあり、マンモグラフィ検診の感度が低くなる。高濃度乳房は、欧米人に比べ日本人、高齢者に比べ若い人に相対的に多い。 高濃度乳房はその人の乳房の個性(体質)であり、病気ではない。そのため、検診では高濃度乳房であっても、要精密検査にはならない。保険診療の対象でなく、乳房超音波検査などの追加検査を行う場合、自費検診になる。最近、その人の乳房の構成、特に高濃度乳房について、その人にお知らせすべきかが議論になっている。高濃度乳房の判定基準が確立していない、高濃度乳房とお知らせしても、その後何をすべきかのコンセンサスがないなどの理由で、お知らせするのが時期尚早とする意見がある。一方、高濃度乳房を含めた乳房の構成は個人の知る権利であり、まず、個人にお知らせすることが大切であるとの意見がある。

HPV(ヒトパピローマウィルス)

子宮頸がんは、99%がHPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスが原因でおこることがわかっています。このウィルスは、ヒトのからだにいるありふれたウィルスで、100種類以上が知られていますが、性経験のある女性の80%が50歳までに一度は感染を経験します。そのうち持続感染となったHPVの、いくつかのハイリスクイプのHPVが,5~10年後に頸がんをひきおこすのです。  2008年にノーベル賞を受賞したハラルト・ツアハウゼン博士(独)は、1983年、尖圭コンジローマからHPV6型、11型2)、子宮頸がん組織から16型、18型を分離し3)4)、子宮頸がんの原因が特定のタイプのHPVウィルスであるという彼の学説を立証しました。この基礎研究が、子宮頸がんの治療そして予防ワクチンへの開発へとつながりました。

HPVはパピローマウィルス科、パピローマウィルス属のウィルスで、球状の外皮の中に二本鎖DNAをもつ比較的小型のウィルスです。ヒトに感染する型は100種類以上あり、30~40種類が性的接触によって感染しますが、約15種類が発がん性です。そのうち16型と18型が最も検出頻度の高い発がん性HPVで、世界的には約70%の子宮頸がんの原因になっています。扁平上皮がんでは16型が、腺がんでは18型が多く検出されます。日本ではこの2つの検出率は約60%で、その他に52型、58型、33型などが欧米よりも多く認められます5)が、20~30歳代では18型の割合が高く、16型と合わせると約80%です6)。日本人女性においては、若いほどHPVの感染率が高く、約40%もの検出率の報告があります7)。

HPVが子宮頸部粘膜の基底細胞に持続感染していると、細胞のコイロサイトーシスを起こし、異型性という前がん状態になりますが、その多くは数年以内に正常細胞に戻ることがわかっています。しかし一部が高度扁平上皮内病変を経て、上皮内がん(0期がん)、浸潤がんへと進行します。細胞異常が生じていてもまったく自覚症状がありませんので、この状態で発見するためには子宮がん検診を受けるしかありません。

検診を是非!

子宮頸がん検診は、子宮頸部の粘膜を綿棒やへら、ブラシでこすって細胞を採取し、スライドグラスに塗布あるいは液体に浮遊させた(液状細胞診)細胞を顕微鏡で調べます。検査自体は、数分ですむ簡単なものです。現在、各自治体では、20歳以上の女性に対して子宮がん検診の補助あるいは全額負担を行っています。2009年度には、政府の補正予算によって20歳以上の5歳毎の女性にがん検診の無料クーポン券が配布されることになりました。

ワクチンで予防する時代の到来

世界ではまた、すでにワクチンの発売・公費負担と、液状細胞診、HPV型検査が広く行われるようになっています。ワクチンは、16、18型に対するワクチン、サーバリックス(グラクソスミスクライン)と、16,18型に、6,11型を加えたワクチン、ガーダシル(メルク)の2種類が発売されており、それぞれ、6か月の間に3回接種し、それによって一生涯の免疫が期待できるものとなっています。

開発中の子宮頸がん予防ワクチン

WHOが推奨するワクチン接種対象年齢は9~13歳ですが8)、日本の専門家会議(子宮頸がんゼロプロジェクト、2009)が推奨する案では11~14歳の女子で、9歳でも接種可能、キャッチアップ対象として15歳~45歳になっています。

子宮頸がん征圧をめざす専門家会議(子宮頸がんプロジェクト)推奨(案)

性経験のあるだれもがHPVに感染しうること、若い女性にHPV感染、そして子宮頸がんが増えていること、進行すれば子宮や卵巣ばかりでなく生命をも落とすことになってしまうこと、たとえ命が助かっても排尿障害、性交障害などの後遺障害が必発であることを考えれば、いまや検診とワクチンによって完全に予防できるようになった子宮頸がんに対して、手をこまねいていることはできません。

日本女医会は

日本女医会では、2008年に「若い女性の健康を守ために子宮頸がん検診とHPVワクチンの啓発・普及活動を行います。」と宣言しています。未来のある若い女性たちのために、力を合わせて子宮頸がん検診とHPVワクチンの早期認可にむけて取り組んでまいりたいと思います。

キーワード

子宮頸がん、HPV(ヒトパピローマウィルス)、ワクチン

主要文献

  1. 国立がんセンター対策情報センター、厚生労働省第三次対がん総合戦略研究事業
  2. Gissmann L, et al. Human papillomavirus types 6 and 11 DNA sequences in genital and laryngeal papillomas and in some cervical cancers. Proc Natl Acad Sci U S A 80(2):560-563, 1983.
  3. Dürst M, et al. A papillomavirus DNA from a cervical carcinoma and its prevalence in cancer biopsy samples from different geographic regions. Proc Natl Acad Sci U S A 80(12):3812-385, 1983.
  4. Boshart M, et al. A new type of papillomavirus DNA, its presence in genital cancer biopsies and in cell lines derived from cervical cancer. EMBO J. 3(5):1151-1157, 1984.
  5. Miura S, et al. Do we need a different strategy for HPV screening and vaccination in East Asia? Int J Cancer 119(11):2713-2715,2006.
  6. Nakagawa S, et al. Type of human papillomavirus is related to clinical features of cervical carcinoma. Cancer 78(9):1935-1941, 1996.
  7. Inoue M, et al. The evaluation of human papillomavirus DNA testing in primary screening for cervical lesions in a large Japanese population. Int J Gynecol Cancer 16(3):1007-1013, 2006.
  8. WHOポジショニングペーパー2009. http://www.who.int/immunization/documents/HPVBGpaper_final_03_04_2009.pdf

「子宮頸がん予防の会」代表発起人、
日本産婦人科学会認定医、
日本思春期学会理事、
日本性感染症学会評議員
NPO女性医療ネットワーク理事長、
性と健康を考える女性専門家の会運営委員

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