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1981.05.31 
第1回 昭和55年度受賞 平敷 淳子  

「今日の自分を形成した日本女医会での活動と学術研究助成」

国際女医会会長・埼玉医科大学名誉教授
平敷 淳子

「総合画像診断」という提案と今日の画像診断の発展

 昭和55年(1980年)第1回の学術研究助成受賞者の平敷淳子です。当時長い在米生活から帰国し約6年、助教授という立場で新設された中央放射線部を背負い、教育、研究、診療を大車輪でこなしていかなくてはならない毎日の時の助成でした。人事権、財政権のない中で頂戴いたしました研究助成で、とてもありがたかったことを鮮明に記憶しています。
 テーマは「総合画像診断 イメージ処理装置の開発」で、「総合画像診断」という言葉を世に提案してから5年目でした。当時は従来からのX線診断、血管造影、超音波断層法に加え、CTが少しずつ設置されている状況でした。それでも、画像診断は系統だてて行われているわけではありませんでした。最適な診断方法を最小の侵襲で行い、短時間に正しい診断に到達するという基本概念の提案が「総合画像診断」でした。当然そこにはたくさんの画像が発生し、それらから容積・体積の算出、画像の重ね合わせはもちろん、各種の濃度や表示の処理、対象臓器や血管の抽出などを行うための装置の研究が受賞対象でした。いわばハードウエア、ソフトウエアの研究開発で、東芝医用機器事業部那須工場との共同研究でした。研究成果とプロトタイプの装置をたずさえ、ベルギーでの国際放射線学会で発表、展示をいたしました。成果は映像情報誌、日本医用画像工学学会誌に掲載いたしました。
 現在の画像診断ではCTはいうに及ばず、MRIの普及も浸透し、血管造影は治療目的に移行し、各種画像処理は基本の装置に組み込まれています。これらを可能にしたものは、日常的ともいえるほどに進歩したcomputerの進歩と普及のおかげです。
 私の研究は発展的に解消いたしましたが、基本概念は画像診断医として私の根底には生き続けています。


日本女医会での関わりから、より幅広く国際的な活動へ

 1987年埼玉医科大学に主任教授として赴任後は、MRI(磁気共鳴画像)やMRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)の臨床、実験研究へと移行し、臨床では骨髄を中心とする血液疾患の診断、実験研究ではブタの肝臓を用いたProton Spectroscopyで、移植保存肝のin vivoでの指標となるような研究成果を求めました。実験では大学院生とともにブタと向き合いました。血液疾患の臨床研究は単行本、European Journal of Hematology, Journal of Magnetic Resonance Imaging や日本磁気共鳴医学会雑誌などに、実験結果は日本磁気共鳴医学会雑誌に掲載いたしました。
 主任教授としての前半10年間は診療、教育、研究と教室の体系つくりに、後半の10年弱は国際的な活動が加わりました。日本女医会ではNational Coordinator(NC)として、2002年の日本女医会100周年式典、2004年の国際女医会議にLocal Organizing Committee Secretary-Generalとして、当時の橋本葉子会長のお手伝いをいたし、2004年には現職のまま、国連総会日本政府代表代理として国連総会に国連NGO国内婦人委員会から派遣していただきました。
専門分野では2002年国際磁気共鳴医学会の理事となり、2005年に京都での国際会議の開催を可能としました。
多分野の大勢の人々との交流や専門外の経験が今日の自分を形成していると、日本女医会に関われましたことを感謝しています。ここから国際女医会会長としてのkey words:participation, communication, and visibilityが生まれましたことはもちろんです。
女性医師であるからして、節度をもち、謙虚で気配りができ、決して環境を私物化しないという私の生き方も付記いたします。
 
Key words:Participation, communication and visibility


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