「日本女医会『学術研究助成受賞者の軌跡』寄せて」
身近にロールモデルとなる先輩医師を
私は平成18年度の日本女医会研究助成をいただいたが、このたびは若い女性医師の方をサポートするための先輩の立場から、ということで筆をとった。
自分のロールモデルとなるような先輩が身近にいるかどうかは、家庭と仕事を両立しながらキャリアアップしていくために重要と思う。この点では、私が東京女子医大を卒業し、その後糖尿病センターという極めて女性内科医師の多く勤務する医局に席を置いたことは幸せであった。
そんな中でも特に、大学院が修了したぬるま湯の時期、"女性は男性以上にエネルギッシュに働くことが当然!女は倒れるまで、男は死ぬまで!""マイペースで仕事をされては困ります。死に物狂いで私の医局のために働いてください!"とおっしゃった大森安恵先生の元で勉強を続けたことは人生の大きなターニングポイントになったように思う。
厳しい教えと信頼関係に感謝を込めて
大森先生はご自分にも、また医局員にも大変高いレベルの仕事を要求され、時には医局員一同(大きな)溜息と弱音をはいたものだった。しかし、今となると、大森先生に教えを受けた医師は、男女関係なく、大森先生が日々我々に叱咤激励した数々の言葉を、感謝をこめて思い出している。こんな気持ちになるとは当時誰も想像していなかった。これは、大森先生が男女関係なく真正面からぶつかり、時間を共有し、研究論文を作り上げた時に生まれた達成感や喜びを教えてくださったこと、そしてそこに信頼関係があったからだと思う。
若い先生方は、よく周りを見回して欲しい。男女関係なく自分のロールモデルになりうる先生はいると思う。そして、研究は苦難の連続である。しかし、コツコツと続けて欲しい。その結果得られる喜びはひとしお―(言葉では説明できない)だから、と私は思う。
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