トップページ




1995.05.27 
第15回 平成6年度受賞 澤口 彰子  

「日本女医会学術研究助成とキャリアアップ・キャリア形成との関連性」
         

日本女医会理事・東京福祉大学・大学院教授
澤口 彰子

女性法医学者としての医学的・社会的貢献と各賞受賞

 窒息の研究に関心を持ち、ライフワークにすると決意したのは大学院を修了した年であり、20代後半でした。今でこそ電気泳動法はDNA研究法の基本となり、DNA研究の発展に多大な影響を与えていることは周知のとおりですが、当時は海外から導入されたばかりの斬新な研究法でした。この方法を用いた窒息時の蛋白動態に関する研究で高い評価を頂いて、エッソスタンダード研究奨励賞を大学院4年生の時に初受賞しました。その時、軽い驚きを覚えると共に勉学への意識が高まったことを思いだします。
 その後、窒息の病態生理や個人同定に関する研究で北里医学会賞、上原記念生命科学財団上原記念奨励賞、平成7年5月27日に日本女医会学術研究助成(平成6年度)、平成8年5月25日に日本女医会吉岡弥生賞(平成7年度)を受賞しました。特に日本女医会吉岡弥生賞は医学に貢献した会員として選考・審議の結果、決定されたものですが、賞状には、「DNA分析の法医診断学的応用を研究の中心課題として活躍の傍ら、東京都監察医務院非常勤監察医、警視庁刑事部鑑識課嘱託医として東京23区域司法解剖鑑定人としても活躍、国内外の学会から高く評価されている女性法医学者としての幅広い貢献」とされています。医学的貢献のみでなく、社会的実践探求も評価され、その後の実践探究の励みとなって、武見記念賞受賞や法務大臣表彰に繋がりました。
 平成13年12月21日には「法医病理学において科学的窒息論を展開し窒息の病態生理を世界で初めて明らかにする一方、東京都監察医及び警視庁嘱託医としても活躍し、死因の解明・死亡率の改善・司法面への貢献など社会医学的応用の実践探究」にて武見記念賞を受賞しました。
因みに武見記念賞は武見太郎 元日本医師会会長が唱えられた自然科学(物理学・化学・生物学など)、社会科学(経済学・法学など)、人間科学(心理学、言語学など)、医学、哲学、芸術など広範囲の学問のうえになりたつ高邁な生存科学の理念である生存之理法にかなった学術に授与する賞です。
 さらに日本医師会学術奨励賞、日本犯罪学会賞(犯罪予防に対する学際的研究および学会長、理事としての功績)、法務大臣表彰(鑑定医として検察事務に協力、刑事司法の適切な運用に貢献)その他を頂いています。武見記念賞及び日本犯罪学会賞は受与された時点では初めての女性医師受賞者でした。

キャリアアップ・形成の主体性のカギとなるもの

 平成6年度の日本女医会学術研究助成、翌年の日本女医会吉岡弥生賞は、既に東京女子医科大学主任教授就任後5年以上経過してから頂いたのですが、それまでの研究と実践探究の結果であり、キャリアアップ・キャリア形成の主体性のカギとなっています。
 賞や研究助成を頂くことは、実に嬉しい出来事であり、私自身が、自らのからだのなかに、生きていることの確かさを取り戻したように感じます。
 平成21年7月10日の日本経済新聞には、就職に有利な学生は対人関係・勉学の意識が高く、これらがキャリア形成の主体性のカギとなるとされています。賞や助成金の獲得およびキャリア形成においても、交流関係を広げ積極的に交流することや勉学志向を高めることに関心をもつことがカギとなると思います。まずは関心をもって、取り組んで頂きたいと熱望します。
 私自身も微力ではありますが、日本女医会の発展のために、これまでの助成金獲得や受賞歴を参考にして、日本女医会事業用の助成金を国や公共団体、企業等から獲得したいとの関心をもっています。そして、自ら未来を開くという関心を持ち続けたいと思います。


キーワード:日本女医会 学術研究助成 受賞 キャリアアップ・形成、関心


〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-8-7 青山宮野ビル3F TEL:03-3498-0571 FAX:03-3498-8769