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1996.05.25 
第16回 平成7年度受賞 船坂 陽子  

「"紫外線による色素細胞活性化因子の同定とそのシグナル伝達機構の解析"を受賞して」

神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野准教授
船坂陽子

基礎研究による裏付けを臨床に還元

 日本女医会学術研究助成を頂いたのは、1989年から1991年まで米国に留学し、帰国後臨床に加えて、研究を頑張っていきたいと考え始めた頃でした。研究助成を頂きますと、嬉しいとの思いに加え、成果を出さなければならないとの励みになります。一緒に仕事をする大学院生や研究生にも恵まれ、皮膚における色素細胞の増殖・生存維持の機構についての研究を進めました。
本研究助成を頂いた課題で発表した論文は次のとおりです。
Biochim. Biophys. Acta, 1313:130-138, 1996、 Pigment Cell Res, 10:68-73, 1997、Br J Dermatol, 138: 981-985, 1998、Br J Dermatol 139: 216-224, 1998、Melanoma Res, 9:433-445, 1999, J Invest Dermatol 112: 853-860, 1999、Ann NY Acad Sci 885:391-393,1999、Ann NY Acad Sci 885:100-117, 1999

 皮膚の色素細胞の増殖・分化の研究は、1)ホクロの癌である悪性黒色腫の発症機序の解明、2)シミの発症機序の解明および新規治療法の確立にもつながります。一方、皮膚科医として診療の現場では、シミが悪性であるのか良性であるのか、良性であればそれを取り除く方法があるのか、ということを求められるのが多いのが現状です。
そこで、美容皮膚科的な治療法、ケミカルピーリングやレーザー/光線療法、美白剤の効果がどのようなものであるのかを、基礎的な研究で裏付けをとりながら臨床に還元していく方法をとり、安全性と治療機序に関するエビデンスを得るように務めました。

学術研究助成は心強い後押し

 日本皮膚科学会におきましても、皮膚科専門医の上に、美容皮膚科・レーザー指導専門医という上級専門医が設定され、QOLを高める診療・治療に対するスキルを得ることが求められるようになってきました。このためのガイドライン作成、指導専門医の認定試験作成、美容皮膚科学会学術誌であるAesthetic Dermatologyの編集委員長を務めております。
 自分でこれをやっていこうとの意志をもった時に、どこかでそれを認めて頑張れよとの後押しが得られるのは、特に若い時においては心強く感じるものです。日本女医会学術研究助成は、私にとっては正にそれにあたるものでした。現在私は50歳、時の過ぎるのは早いもので、受賞からもう14年がたちますが、まだまだ探求していきたいという気持ちで一杯です。

キーワード:皮膚科学、色素細胞、ガイドライン作成


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